初めて見る方向けの養育費・婚姻費用算定表の見方の解説。

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 離婚についてご相談にいらっしゃる方が、意外と知らないのが、養育費についての算定表です。 子どもの養育費を決めるのは大変だ、ということで、裁判所が参考資料として作成したものであって、養育費を決める際に広く用いられています。

 見方を知ってしまえば、ご自身で養育費がいくらぐらいになるのかを調べることができます。

 そこで、この記事では、養育費・婚姻費用算定表の見方を説明します。

関連記事 養育費はどのように決まるのですか。

養育費・婚姻費用算定表を見る前に

  事前の準備なく、算定表を見始めると、細かい字や表に圧倒されてしまうと思いますので、見始める前に、以下の3点を書き出してください。

・子どもの数

・夫の年収及び給与所得者か自営業者か

・妻の年収及び給与所得者か自営業者か

  年収は、給与所得者の場合は控除前の金額、自営業者の場合は課税される所得金額です。

 サラリーマン世帯であれば、源泉徴収票を確認いただくのが一番早いです。

養育費・婚姻費用算定表をダウンロード

 裁判所のホームページから、養育費・婚姻費用算定表がダウンロードできますので、まずはこちらをダウンロードください。

 ダウンロードしたら、ファイルを開いてください。PDFファイルなので、お手元のスマートフォンで見ることができると思います。

養育費・婚姻費用算定表の構成

 ページ番号が振ってないのでわかりづらいですが、全体で22ページあり、以下の構成となっています。

 1~3ページ 【算定表の使い方】

 4~12ページ 養育費算定表

 13~22ページ 婚姻費用算定表

算定表の見方

 以下では、養育費を調べる際の方法をご説明します。婚姻費用の場合には、同じように対応する表をご確認ください。

1 算定表4ページ以降の部分(細かいグラフになっているページ)の左上を確認し、ご自身の家族構成にあったものを見る。

 算定表の左上に、例えば「 表1 養育費・子1人表(子0~14歳) 」のような記載があります。

 これは、その表がどのような世帯を対象にしているかを示しています。ご自身の家族構成にあったものを見つけてください。

 もし、こちらに記載がない場合や、子どもが複数いて別々に育てる場合は、算定表ではわからず、個別に計算する必要がありますので、弁護士へご相談ください。

2 養育費を支払う側(通常夫)の年収を、左側(縦軸)に、養育費を受け取る側(通常妻)の年収を、下側(横軸)にとる。

 それぞれ対応する金額のところに、しるしをつけてください。自営業と給与所得者で、同じ年収でもしるしをつける場所が異なるので注意が必要です。

3 横軸と縦軸が交わるところが、養育費の金額の目安となります。

 交わった部分の金額が、養育費の金額の目安となります。

算定表では算出できない場合

 先ほども少し触れましたが、算定表では対応していないケースがいくつもあります。

 この場合には、個別に計算する必要がありますが、子が別々に暮らしている場合などは計算が非常に複雑になりますので、離婚事件になれた弁護士へご相談ください。

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