結婚して2~3年程度で夫から離婚を切り出された、妊娠中や幼いお子様を抱えられたお母様へ。

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 妊娠中や、子どもが小さいとき、夫が家事や育児に理解を示さず、また身体をいたわることもしないなどのケースで、夫から離婚したいといわれて悩まれている方のご相談に多く乗ります。

 なかには、妊娠中や子どもが小さいことから、夫が家に帰ることを嫌がって夜遅くまで飲み歩いていたり、不倫をしていた、これを咎めたら夫から離婚を切り出されたというご相談を受けることもあります。

 そこで、今回は、結婚して2~3年程度で、妊娠中や乳幼児がいる方の離婚について、ポイントをまとめました。

離婚した方がいいのか、離婚のメリットとデメリットを考慮して、どうするか決める。

 夫から離婚を切り出されたとき、すぐにこれに応じるかどうかは、十分に検討する必要があります。 

 夫が離婚したいと考えていても、こちらが離婚に同意しなければ、すぐに離婚することはできません。

 一緒に生活するのはつらいので別居する場合であっても、財産分与や慰謝料の話し合いをせずに離婚することは得策ではありません。

 別居後離婚までの生活費である婚姻費用を受け取りながら、将来のことを考え、生活のめどを立ててから離婚する方がいいことがほとんどです。

 夫から離婚を切り出されたからといって、すぐに離婚に応じてしまうことは、慎重になるべきだといえます。

離婚の際にポイントになること

婚姻費用、養育費の請求をきちんとする。

 離婚が成立する前であれば、母親と子どもの生活費(婚姻費用)が、離婚が成立した後であれば子どもの生活費(養育費)を、父親から受け取ることができます。

 例えば、父親の収入が300万円、母親の収入が0円、子どもが1人の場合の婚姻費用(離婚まで)と養育費(離婚後)の目安は以下のとおりです。

  • 婚姻費用 4~6万円
  • 養育費 2~4万円

 別居直後からきちんと請求し、支払いを受けることが大切です。

財産分与を確認する。

 離婚の場合、まとまった額の財産分与を受け取れ、これを今後の生活に充てられることが多いのですが、婚姻期間が2~3年程度の場合には、貯金ができるほどの収入がなく、財産分与はほとんどないといったこともあります。

 財産分与は、結婚してから離婚(別居)までに夫婦が築いた財産を、二人で分ける制度ですが、引っ越しや結婚式などで、むしろ結婚前に比べて資産が減っているということもしばしば見受けられます。

 離婚にあたっては、財産分与がどのくらい得られるのかを事前に検討し、将来の生活のために準備することが必要です。

慰謝料の請求を検討する。

 結婚後、期間が短い場合、財産分与より慰謝料の方が高額になるケースもあります。

 不倫があった、DVがあったなどのケースでは、慰謝料の請求を十分に検討する必要があります。

 しかし、これ以外のケースでは、慰謝料は認められないことがほとんどです。

 慰謝料を含めた将来設計を考えることが大切です。

 また、慰謝料の請求ができる場合でも、一括で支払うお金がないことも多いので、分割での支払いに応じるなどの対応も必要になります。

その他

今後の生活の拠点を考える。

 多くの方が、夫名義で借りた賃貸アパートなどにお住まいだと思います。離婚するとなると、いずれ出ていくことになるケースがほとんどです。

 そのため、新しく住む場所と、引っ越し代、家賃、敷金、礼金等の諸費用を確保しなければいけません。

生活費の一助となる各種手当を検討する。

児童扶養手当(母子手当)

  ひとり親家庭で、18歳未満の児童を養育している場合に支給されます(所得制限があります)。支給される金額は、所得にもよりますが、月4万円になることもあります。

児童手当

 子どもがいる世帯に支給されます(所得制限があります)。支給される金額は、所得によりますが、0歳~3歳未満の場合、月1万5000円です。

その他手当

 その他、自治体ごとに、独自の支援制度を持つことがあります。

 上記手当の詳細な支給要件を含め、市区役所へ直接ご相談に行かれることをお勧めします。

まとめ

 夫から離婚を切り出されたケースでは、進め方によって、もらえる金額が大きく変わってくる場合があります。また、将来設計を見据えた見通しを持った対応が欠かせません。

 お悩みがあれば、無料法律相談を実施しておりますので、あいなかま法律事務所へご相談ください。