以下では、実際に所長弁護士がご依頼を受けた事例を基として、お悩みがどのように解決されたのかをご紹介します。

 事例は、実際にあったご依頼の事例を基としておりますが、個人情報に配慮し、またご説明の便宜のため事実関係をわかりやすい形へ修正し、一部変更するなどしております。

離婚相談のご相談事例

夫が一方的に別居したケース(妻側)

事案の概要

 1歳の子どもがいる夫婦の、妻からの依頼でした。夫は会社員でご相談者は出産を機に会社を辞めて、専業主婦でした。

 出産後しばらくは、夫名義で借りているアパートで同居していましたが、夫は子どもの面倒はあまり見てくれませんでした。しばらくしたのち、夫は、これ以上一緒に暮らせないから離婚したいと一方的に告げて、家を出て行ってしまいました。

  ご相談者 は、子どもが小さく、どうしていいかわからなくなり、私のもとにご相談にいらっしゃいました。

  ご相談者 の希望としては、離婚することは仕方がないとしても、養育費と、小さい子どもを置いて一方的に別居されたことについて慰謝料を取りたいということでした。

初回のご相談

弁護士から見た判断

 婚姻期間中は ご相談者 と子どもの生活費である婚姻費用が、離婚後は子どもの生活費である養育費を受け取ることができることを説明し、夫の会社からすれば、未払いとなるリスクは低そうと考えられました。

 また、 ご相談者 の希望である慰謝料については、一方的に別居したことに対する慰謝料は難しく、不倫をうかがわせる事情もないことから、調査により不倫の事実が判明する可能性も低いと考えられました。

 また、子どもが小さくて ご相談者 が働きに出ることは難しいこと、夫が名義人となっているアパートでいずれ退去を求められる可能性が高いことから、 ご相談者 の生活を安定させることが必要と考えられました。

初回相談でのアドバイス

 まず、婚姻費用の請求をして、ご自身の生活を安定させることが必要とアドバイスしました。婚姻費用の請求にあたっては、支払われなければ速やかに調停を起こすようお伝えしました。

 また、慰謝料については、今回の事案で請求することは難しいことをご説明したうえで、夫が早期の離婚を求めている状況であれば、慰謝料に代わり、今後の生活を安定させる生活費を求める方がいいとお伝えしました。

その後の流れ

 夫に対して婚姻費用分担請求調停を申し立てました。

 夫からは、想定通り、アパートを退去するように求められるとともに、離婚を求めて離婚調停の申し立てがされました。

 当方としては、今後の生活に不安がある状況で離婚に応じることはできない旨を伝え、裁判所が定める算定表に基づく養育費に上乗せして生活費を支払うよう求めました。

 調停委員に対して、 ご相談者 が置かれている状況や、夫の別居後の ご相談者 に対する対応を切々と訴えたところ、夫は、養育費に加え、数年間の間、上乗せして毎月数万円ずつ支払うことで合意ができ、離婚が成立しました。

ご相談いただいてよかった点

 弁護士を入れることなく戦略を持たずに調停を迎えていたら、通常認められる養育費以上の金額を受け取ることもなく、また婚姻費用の支払いもされない可能性のある事案でした。すぐに私にご相談いただき、適切な方針をご案内できたのが、養育費以上の支払いを受けることができることにつながったといえます。

妻が子どもを連れて一方的に出て行ってしまった事例(夫側)

事案の概要

 ご相談者である夫は、妻と結婚10年になり、幼稚園児の子どもがいました。 ご相談者 は会社員で、平日遅くまで働いていましたが、土日はできるだけ家族と一緒にいるようにしていました。

 ある日、 ご相談者 が家に帰ってみると、妻と子どもがおらず、妻からの手紙が置かれていました。

 手紙を読むと、そこには、妻が子ども実家に帰ったことや、離婚したいこと、その理由が記されており、子どもには合わせないということが書かれていました。

  ご相談者 は、どうしていいかわからず、私のところにご相談に来ました。

  ご相談者 の希望としては、まずは妻と話し合いをして、離婚したい理由をはっきりと聞きたいということ、それを踏まえて離婚しかないのであれば、できれば親権を取り、親権が取れないのであれば、子どもに定期的に会う機会を作りたいとのことでした。

初回のご相談

弁護士から見た判断

 妻が話し合いをせず、一方的に出ていく事案では、多くの場合、その後に妻と直接話し合いの機会を持つことは非常に難しいといえます。

 これまで子どもを妻が見ていたことや、妻が子どもを連れて実家に帰った事情からすると、親権を取ることは非常に難しいと考えられます。

 妻が子どもに合わせたくないという理由を早期に把握して、 ご相談者 が希望する形での面会交流を実施するよう働きかけることが必要な事案と考えられます。

初回相談でのアドバイス

 妻の手紙やご状況からすると、直接話をすることは難しいことをご説明し、子どもとの関係をお伺いし、子どもと今後どのような関係を築くかを協議し、妻が面会交流を従っていない理由に心当たりがあるかをお伺いしました。

 その上で、 面会交流の方法や回数についてこれまでの事例をもとにいくつかご提案をさせていただき、面会交流の実施に当たっては妻の協力が必要であることから、妻の状況を踏まえて対応する必要があることをご説明しました。

 今後は、妻に面会交流の方法を提案していくなかで、実施可能な面会交流を探ることと併せて、財産分与や養育費について、不利にならないようにすすめる必要があるとアドバイスしました。

その後の流れ

 妻側から離婚調停及び婚姻費用分担請求調停の申し立てがなされ、 ご相談者側からは、面会交流調停を申し立てました。

 調停の中で、面会交流を拒否する理由は、子どもとの関係ではなく、妻が ご相談者 に会いたくないことが理由とわかりましたので、当面の間、面会交流に代理人が立ち会い、子どもを預かる際に ご相談者 と妻が直接話をしなくてよいようにする形で試行的に面会交流を重ねました。

 次第に子どもも妻も慣れてきたため、立ち合いなく面会交流が実施できるようになり、子どもと両親との関係が安定したことから、その他財産分与などについても合意することができました。

ご相談いただいてよかった点

 ご依頼いただいて、面会交流に関して様々な選択肢を柔軟に考えられるようになったことで、面会交流が実施できるようになったと思われます。

 本件のような事案では、夫婦のお互いが、お互いに考えをうまく伝えられないことが多く、弁護士を入れなければ夫婦の考えのすれ違いは面会交流にまで及んでしまい、面会交流の実施は困難となっていたかもしれません。

不倫の慰謝料の相談事例

妻の不倫が発覚し、不倫相手に慰謝料を請求したいとのご相談事例

事案の概要

 ご相談者である夫は、妻と子どもが一人いましたが、妻の不倫を原因として離婚しました。

 不倫の証拠は妻から提供を受けており、不倫相手は判明していましたが、どのように進めればわからないため、ご相談に来ました。

 妻の話では、不倫相手はローンを組んで不動産を購入しているとのことでした。

  ご相談者 の希望は、慰謝料をできるだけ多くとりたいとのことでした。

初回のご相談

弁護士から見た判断

 不倫に関する証拠は判明しており、不動産のローンを組んでいることから、回収見込みはあると考えられます。

初回相談でのアドバイス

 不倫の証拠を確認したところ、立証は十分可能な事案でしたので、支払いに応じない場合には裁判を起こして回収する方針になると伝えました。

 今回は、不倫相手が不動産を有していたことから、回収見込みは比較的高いといえるため、高い金額を求めるのであれば、強気の請求をしていい事案と思われることをアドバイスしました。

その後の流れ

 調査の結果、不動産の状況やローンを組んだ時期、ローン金額からして、オーバーローン(ローンの金額が不動産価格を上回る状況)と推測されました 。

 また、不倫相手は当方が請求する慰謝料の支払いを拒否したため、裁判により回収を図ることとなりました。

 裁判では、不倫相手から経済状況について主張がありましたが、当方としては不動産もあるので分割でもいいので相当額を希望する旨を強く主張し、結果として夫が満足する金額で和解することができました。

ご相談いただいてよかった点

 早期にご依頼いただいたため、不倫相手に関する情報から、不倫相手への請求の見通しを立てて、これに従って進めることができました。

 また、不倫相手の持つ不動産の状況を調査し、その結果を基に不倫相手が合意できるぎりぎりのラインを攻めることができたことが、満足できる金額での和解につながったといえます。

不倫がばれてしまい、慰謝料を請求されているご相談事例

事案の概要

 既婚女性と不倫していたご相談者が、既婚女性の夫から慰謝料を請求されました。

 ご相談者にも妻がおり、また相手が証拠をどれだけ持っているのか明確でない事案でした。

 ご相談者の希望は、慰謝料をできるだけ少なくし、また不倫を妻にばれないようにすることでした。

初回のご相談

弁護士から見た判断

 相手が証拠をどれだけ持っているかわからないため、不倫を認めるかどうかは慎重にすべき事案です。

 相談者の妻に知られたくない意向があるため、知られないように早期に弁護士から通知をするなどの対応も必要な事案といえます。

初回相談でのアドバイス

 相手の証拠が判らないため、早期に認めるか、それとも様子を見ながら交渉を進めるかを検討し、不倫を否定しながら、迷惑をかけたことに対する解決金を支払う方向で進める方針をご提案しました。

 また、早期に代理人を立てて、今後の連絡を代理人を通じて行うことを相手に求めることで、妻に知られる可能性を低くした方がいい旨をアドバイスいたしました。

その後の流れ

 当方が提示した解決金で合意できませんでしたが、交渉及び裁判の中で、相手の求めるポイントは慰謝料額より不倫した事実を認めさせることであることが判明したため、不倫を認める代わりに慰謝料を支払う形で和解が成立しました。

 その結果、慰謝料額を抑えつつ、妻に知られることなく終了させることができました。

ご相談いただいてよかった点

 やみくもに不倫を否定しても、またすぐに不倫を認めてしまっても、相手のペースで交渉が進んでしまうこととなります。

 早期にご相談いただき、ご依頼いただくことで、相手の重視するポイントを見定めて交渉でき、また妻に知られることなく解決できました。

 

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