離婚と子ども名義の預貯金|財産分与の対象になる?ならない?弁護士が解説

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

 

離婚時の財産分与でよく相談を受けるのが「子ども名義の預貯金は分けないといけないのか?」という問題です。
子どものために積み立てた貯金や学資保険は、できれば子どもの将来のために分与せずに残したいと考える方が多いでしょう。

本記事では、子ども名義の預貯金や学資保険が財産分与の対象になるのか、また実際の話し合いでどのように扱われることが多いのかを解説します。

子ども名義の預貯金は原則「財産分与の対象」

  • 子ども名義であっても、婚姻中に夫婦の収入から積み立てたお金は、**夫婦が協力して築いた財産(共有財産)**とみなされます。
  • したがって、子ども名義だからといって自動的に財産分与の対象外になるわけではありません
  • 法律上は、夫婦の財産と同様に「原則2分の1ずつ分ける」のが基本です。

対象外となるケース

  • いわゆる連れ子再婚の場合で、再婚時にすでに子ども名義で積み立てられていた財産
  • 夫婦の収入と関係なく、親族等からの贈与によってのみ積み立てられた財産

これらは夫婦の協力で形成したものではないため、財産分与の対象にはなりません。ただし、贈与の場合には、どちらの親や親族が贈与したものかということが別に問題になり得ます。

弁護士 中村正樹

協議で合意すれば「分けない」結論も可能

実務上は、夫婦間で合意すれば、どのような取り扱いも可能です。

  • 子ども名義の預金を財産分与の対象としない
  • 親権者が取得し、子どものために管理・使用する

このような形で話し合いがまとまることも珍しくありません。
ただし、相手が合意しない限り「当然に分けなくてよい」ということにはなりません。

そのため、相手方に、子ども名義の預金を財産分与の対象とすることを強制することはできません。

実際の話し合いで多い合意パターン

当職が取り扱ったケースでも、対立が激しい夫婦であっても以下のような合意が成立することがあります。

  • 子ども名義の預金は財産分与の対象とせず、親権者が管理
  • 学資保険についても、子どものために残す扱いとする

合意が成立しやすい背景

  • 双方が「子どものために使う」という認識を共有している
  • 面会交流や子育てにおける信頼関係がある
  • 「子どものためなら安心して任せられる」と思える状況がある

一方で、「相手がきちんと子どものために使ってくれるのか不安」という理由から、財産分与の対象とすべきと考える親もいます。

学資保険も財産分与の対象になるか?

子どものための学資保険も、婚姻中に夫婦の収入から支払われた保険料によって形成された財産であれば、法律上は財産分与の対象です。

ただし、実務では「子どものために使う」という性質が強いため、子ども名義の預金以上に「対象としない合意」が成立するケースが多い印象があります。

まとめ|子ども名義でも原則は分与対象、ただし話し合いがカギ

  • 子ども名義の預金や学資保険も、婚姻中に形成された分は財産分与の対象
  • ただし、夫婦の合意があれば「分けない」という取り扱いも可能
  • 実務では「親権者が取得し、子どものために使う」という合意がしばしば成立する。

 子どものために積み立てたお金をどう扱うかは、感情的にも複雑になりがちです。財産分与の判断はケースごとに異なるため、迷う場合は離婚問題に詳しい弁護士に早めに相談することをおすすめします。

関連記事 財産分与は別居時が基準になるのですか。

関連記事 財産分与は2分の1でないといけないの?