不倫慰謝料請求は、弁護士以外に頼んでもいいのですか。

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 不倫の慰謝料請求に関しては、弁護士のほか、行政書士や司法書士も、ご相談を受け付けているケースがあります。そこで、弁護士、行政書士、司法書士の違いをご説明します。

 なお、弁護士をどのように選ぶかについては、不倫に関して無料相談したいときの弁護士の選び方の記事をご参照ください。

弁護士と行政書士、司法書士の違い

弁護士の強み

 私は、職業柄、他の士業の方とお話しさせていただく機会が多くありますので、その中で弁護士が日常的に行っている考え方で、不倫の慰謝料等に関係することをお伝えします。なお、一般論としての傾向であり、他の士業の方でも弁護士と同じように考えている方もいらっしゃいます。

 弁護士は、例えば、「婚姻関係が破綻→慰謝料の請求は認められない」という規則について、裁判所が、「なぜ」婚姻関係が破綻した場合には、慰謝料の請求が認められないとしているのか、そのおおもとの理由を確認します。

 そのうえで、 婚姻関係が破綻したとは具体的にどのような状況をさすのか、実際にどのような判断がされているのかを、過去の裁判の事例を基に検討します(この一連の作業を、「趣旨から解釈する」、といいます)。

 その結果、不倫の慰謝料に詳しい弁護士であればあるほど、お客様からご事情を細かく聞いたうえで判断する傾向にありますし、ご説明も細かくなる傾向にあります(弁護士の口癖の一つは、「事案によります」です。)。

 外の士業の方は、その仕事の性質上だと思いますが、過去の裁判所の判断にあまり疑問を持たない、突っ込んで検討しない傾向にあると感じます。

 その他、弁護士は、日常的に裁判を行い、また紛争業務を取り扱っているため、裁判の戦略や交渉等においては、他の士業にはない強みを持っているといえます。

弁護士と行政書士の違い

 弁護士と行政書士の違いは、弁護士はあなたの代理人として直接交渉ができるけれども、行政書士はあなたの代理人にはなれない、代わりに交渉ができないという部分です。

 もし、行政書士の不倫慰謝料に関するホームページをご覧になったら、注意深く記述を読んでいただくと、内容証明郵便などの書面作成のサポートなどのご説明がされていると思います。

 行政書士は、直接交渉ができないため、このような記載になっています。

 昔は、直接交渉をしようという行政書士もいましたが、代理人として直接話をすることは、非弁行為といって、弁護士法に違反し刑事罰が科される可能性があります。

弁護士と司法書士の違い 

 司法書士のうち、認定司法書士としての認定を受けた方は、簡易裁判所の代理権を有し、140万円までの簡易裁判所の管轄の裁判の代理人となることができます。

 ただ、不倫の慰謝料を請求する場合、結果的に140万円以下になるケースがあるとしても、裁判を起こす時点の請求額としては300万円程度のことが多いといえます。

結論

 以上からすれば、不倫慰謝料請求に関しては、弁護士にご依頼されるのが一番いいと、私は思います。