不倫していたことを職場にバラされた場合の対応法。

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 社内不倫をしていたら、相手の配偶者にばれてしまい、不倫を職場にばらされてしまった、というケースのご相談をしばしばお受けします。

 この場合に、慰謝料が請求できるのか、どのように対応すればいいのかなどを、仮想事例をもとにご説明します。

想定する事例

 A男さんは,社内の既婚者であるB女さんと不倫していました。B女さんの夫であるC男さんに,不倫を知られてしまい,C男さんは会社へ乗り込んできて大声で騒いだため,A男さんは会社にいづらくなり,退職を余儀なくされました。

不倫の事実を公開された場合の考え方。

損害賠償請求の対象となる。

 不倫のことを社内に明らかにされた場合、損害賠償請求の対象となることがあります。

 上記のように,会社へ乗り込んできて大声で騒ぐなどした場合,経緯によりますが,社会的に相当な行為とはいえないこともあり、この場合には違法な行為とされ、損害賠償請求の対象となる場合があります。

 そのため,別に裁判を起こした場合,損害賠償請求が認められる可能性はあるといえます。

 ただし、その場合に認められる金額は、被害にもよりますが、あまり工学にはならないことが多いといえます。

その他刑事罰の対象となりうる。

 C男さんの行動やその態様によっては、名誉毀損や会社に対する威力業務妨害など、刑事罰の対象となる可能性があります。

慰謝料を減額する事由となるか。

 慰謝料を請求する裁判の中で,慰謝料を減額する事由として扱うことができるかどうか、という点もポイントになります。

 慰謝料の金額自体は,様々な事情を総合的に考慮して決められるため,上記のような経緯を考慮することは,実際の判断としては十分可能とも考えられます。

 しかし、慰謝料はあくまでも婚姻関係が破綻したことによる精神的損害であるため,その後の事情で慰謝料が減額することに否定的な考えを持つ裁判例もあり、判断が分かれています。

ばらされたのちの勤務先への対応

 まずは、勤務先に迷惑をかけたことを謝罪したうえで、今後は迷惑をかけないよう、きちんと当事者同士で対応することを伝えるべきでしょう。

 その上で、弁護士へ依頼し、相手方とは弁護士を通じて話し合いをするとともに、勤務先へも、弁護士を入れて適切に対応していることを報告して、きちんと対応していることを説明します。

 弁護士から相手方に連絡する際には、無関係な会社へ連絡しないように伝えることも必要です。

 その上で、慰謝料の話し合いについて、職場へ通知したことが、名誉毀損等にあたる可能性があるを理由として減額するよう相手方と交渉を進めていくことも考えられます。

不倫の慰謝料で請求され、支払わなければならない金額と考慮要素について

 不倫の慰謝料を請求された場合の慰謝料の金額は、おおむね100万円から300万円の範囲内といわれています。

 実際に公刊されて書籍にまとめられた裁判例を検討した記事が以下の記事となりますので、ご確認ください。

また、慰謝料の考慮要素については、以下の記事をご確認いただければ、ご自身のケースでどの点が有利でどの点が不利なのかを判断いただけると思います。

不倫慰謝料を請求された場合の流れ

 不倫慰謝料を請求されて職場にばらされたのちの流れとしては、話し合いを求められるか、速やかに裁判を起こされるかの2つのパターンが考えられます。

話し合いの進み方

 相手から不倫の慰謝料の金額について提案がされます。

 こちらとしては、職場にばらされたこともあり、話し合いで相手の言い分を受け入れる気持ちにはなりづらく、和解が成立しづらく、裁判になるケースが多い印象です。実際、裁判になってからご相談にいらっしゃる方もおります。

 ただ、お互いに弁護士に依頼して、弁護士を通じて話し合いをした場合には、弁護士を通じて妥当な金額での和解がされることが多く、裁判を経ずに和解が成立することもよくあります。

裁判の流れ

 裁判では、双方に書面を提出し、お互いの言い分を整理しながら、話し合いで解決ができるか、それとも証人尋問をしたうえで裁判所が慰謝料額を判断するか、という流れになります。

 不倫の慰謝料の裁判の詳細な流れは、以下の記事も参照してください。

最後に

 不倫を職場にばらされてしまい悩んでいる方は、今後の対応についてご相談に乗りますので、あいなかま法律事務所の無料法律相談をご予約ください。