不倫されて不倫相手に慰謝料を請求するタイミングは?

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 不倫相手に対する慰謝料請求について、合わせて離婚しようと考えている方に聞かれるのが、両社のタイミングです。離婚について考慮しないのであれば、早く慰謝料請求すればいいのですが、離婚を合わせてしようと考える場合は、タイミングが気になる方がいらっしゃいます。

 そのため、ご相談の際に、離婚と不倫相手への慰謝料請求と、どのような順番で進めたほうが良いのかと尋ねられることがあるので、今回はその点について検討したいと思います。

タイミングを考えるにあたって考慮する内容

どのぐらい早く離婚したいか

 ご相談いただいた際に、まず初めにお伺いするのは、どのぐらい早く離婚がしたいかです。不倫相手への慰謝料請求は、裁判を起こすことになった場合には数か月から1年以上かかりますので、すぐに離婚がしたいというケースや、そこまでではなくても早めに離婚がしたいというケースであれば、不倫相手への慰謝料請求の後で離婚ということは選択肢に入らないこととなります。

証拠は十分か

 証拠からして、不倫は明らかであれば、進め方に制限はありませんが、証拠上不倫が明らかとまではいえず、裁判で争われる恐れがあるのであれば、これを踏まえてどちらを先行させるのか考える必要があります。

不倫相手の社会的地位

 不倫相手の社会的地位が高ければ、公になることをさけ、慰謝料を支払い速やかに終了する可能性があります。不倫の慰謝料に関する考え方を踏まえた戦略が必要です。

不倫相手への請求のタイミングによる注意事項

離婚を先行させる場合

時効に注意

 不倫相手への請求は、不倫が発覚したときから3年で時効になります。離婚についてもめると、3年はあっという間に経過してしまう場合があるので、注意が必要です。

行方をくらましたり、勤務先を退職する可能性に注意

 不倫相手が行方をくらましてしまうと、請求することが事実上できなくなってしまいます。弁護士に依頼すれば、様々な手段で追跡することができる場合があります。

 また、慰謝料の回収のため、給与を差し押さえを検討することもありますが、不倫相手の勤務先が変更になり差し押さえが事実上難しくなると、回収ができず、交渉の仕方に悪影響を及ぼす場合があります。

不倫相手への請求を先行させる場合

離婚時期に注意

 不倫相手に対する慰謝料請求は、場合によっては数か月以上かかることがあります。離婚は慰謝料請求が終わってからと考えた場合、離婚する時期がどんどん遅くなってしまう可能性があります。

激しく争う可能性に注意

 不倫の事実や不倫の慰謝料金額について、激しく争われる可能性があります。特に証拠から必ずしも明確でない場合には、万一裁判所が不倫はなかったと認定した場合の離婚に与える影響を考慮する必要があります。

まとめ

 どのような進め方がいいかを一概にいうことはできません。私がご相談に乗る際には、不倫相手のタイプや社会的地位、配偶者の性格などを考慮し、また証拠やお客様のご意向を考慮してどのような進め方にするかを一緒に検討させていただいております。

 不倫相手への慰謝料請求のタイミングについて悩まれている方は、一度ご相談ください。