不倫の慰謝料を請求する際に、弁護士に依頼するメリット・デメリット

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 夫や妻が不倫して、不倫の証拠も抑えた、不倫相手の連絡先も抑えた、これから不倫相手に連絡し、慰謝料を請求するという場合に、ご自身で慰謝料を請求しようと考える方もいらっしゃいます。

 私のもとにご相談にいらっしゃった方の中にも、自分で請求してみたけれどもうまくいかなかったので、弁護士に依頼した、という方も多くいらっしゃいます。

 中には、弁護士に依頼せずに解決をされた、という方もいらっしゃると思います。

 そこで、以下では、不倫の慰謝料請求の流れを簡単にご説明したうえで、不倫の慰謝料を請求する場合に、弁護士に依頼するメリットやデメリットをご説明します。

 説明内容は、分かりやすさを重視し、やや単純化してご説明していますので、細かなことは、改めて弁護士にご確認ください。

不倫の慰謝料請求の流れ

裁判までの流れ

不倫の証拠を集め、相手方を調べる。 

 不倫の慰謝料を請求する場合、不倫の証拠や、不倫相手の連絡先などを調べる必要があります。

 不倫相手が誰なのか、ということは、調査をするほか、配偶者と不倫について話をした際に聞き出すといったケースも多くあります。

内容証明郵便などで慰謝料を請求する。

 証拠や相手方の調査が終わったら、相手方に対して慰謝料を請求します。

 内容証明という特殊な形式の郵便で送付する場合のほか、メールや電話で連絡することもあります。

慰謝料について話し合いを行う

 相手方が、こちらの連絡に応じた場合には、慰謝料について話し合いを行います。

 金額や、その他の条件(接触禁止や口外禁止など)について話し合いを行うことになります。

 話し合いがまとまれば、文書を作成し、お互いに合意した内容を確認します。

 話し合いがまとまらなければ、裁判を起こすことになります。

不倫慰謝料を請求する裁判の流れ

 慰謝料に関する話し合いがまとまらなかったり、そもそも連絡しても返事がなかった場合などは、不倫の慰謝料を請求する裁判を起こします。

裁判所へ訴状の提出

 裁判所に、訴状を提出します。

 訴状とは、裁判を起こす方が、裁判所へ提出する書面であり、この中に、今回裁判で請求したい内容(請求の趣旨)や、それを請求することができる理由(請求の原因)などを記載します。

 また、あわせて証拠などの写しも提出します。

 一番初めに裁判官が目にする書面であり、非常に重要です。

 提出した訴状は、裁判所の訴状審査を経て相手方へ送達され、裁判が始まります。

裁判所へ行く日(期日)

 裁判では、1か月から2か月に1回程度、裁判所が決めた日に出頭します。この日を、期日といいます。

 多くのケースでは、事前に文書(答弁書、準備書面)を提出し、裁判所はその内容を確認しながら、相手方に文書の内容について文書で反論するよう指示がされます。

 期日を繰り返していくなかで、双方から提出された文書に基づき、請求に関係して争いとなる点(争点)を整理していきます。

和解が勧められることがあります。

 ある程度争点が整理されていくと、裁判官から、和解(判決によらない解決)について打診されることがあります。

 場合によっては、裁判官から見通しが示されることもあります。

 双方の言い分が整理されたのちのことでもあり、多くの不倫の慰謝料を請求する裁判で、和解による解決がされている印象です。

証人尋問(当事者尋問)

 話し合いによる解決が難しい場合、証人や当事者から話を聞く、尋問手続きが行われます。

 尋問では、主に争点に関することがらについて話をすることになります。

 不倫の事実が争われているケースなどでは、証人尋問により結果が大きく左右されることもある、重要な手続きです。 

判決

 証人尋問を行ったのち、裁判官が判断する判決が下されます。

弁護士に依頼するメリット

相手に直接連絡を取らずに請求できる。

 弁護士を窓口として請求することで、相手と直接やり取りをする必要がなくなり、精神的な負担を感じることなく、慰謝料の請求が可能になります。

法律や過去の判断を踏まえた適切かつ有利な交渉が可能

 不倫の慰謝料に関する交渉では、これまでの裁判所の判断を頭に入れておくことで、適切に交渉を進めることができます。

 これまでの裁判例や経験を踏まえ、また個別のご事情を勘案して、適切な慰謝料額の請求ができます。

合意文書の作成までしっかり対応してもらえる。

 話し合いがまとまった場合、その結果を文書にまとめることになります。

 この際の文書の内容があいまいだと、後にトラブルが生じてしまうことも多くあり、きちんと作成しておく必要があります。

裁判になっても安心

 話し合いで合意できなかった場合、そのまま裁判に移行することができ、スムーズに手続きを進めることができます。

弁護士に依頼するデメリット

費用が掛かる。

 弁護士に依頼する場合に、一番ためらわれることが、この点だと思います。

 直接の話し合いで解決できれば、弁護士費用は発生しませんが、弁護士を通じて請求することで、弁護士費用が余計に掛かってしまうことになります。

 たとえば、あいなかま法律事務所では、不倫の慰謝料請求事件をご依頼いただき、200万円の慰謝料を獲得した場合、52万円(税別)の弁護士費用が発生します(あいなかま法律事務所報酬規程による)。

 また、慰謝料の支払いがされない場合、弁護士費用分だけ赤字になってしまうこともあり得ます。

 ご依頼する前に、依頼する弁護士に、費用の点を十分に確認しておいた方がいいといえます。

まとめ

 不倫の慰謝料請求をする場合に、弁護士に依頼するメリットとデメリットをまとめました。

 弁護士によっては、無料法律相談を実施している事務所もございますので、ご自身で行うかどうか決めるにあたって、まずは無料法律相談をご利用いただくのがいいと思います。

 あいなかま法律事務所でも、不倫の慰謝料請求に関する60分無料法律相談を実施しておりますので、不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼しようかお悩みの方は、ご相談ください。