不倫慰謝料請求の裁判の流れとは?訴状・審理・証人尋問まで徹底解説
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
不倫の慰謝料を請求したものの相手が支払わない場合や、逆に慰謝料を請求されて裁判を起こされそうな場合、「裁判の流れが分からない」と不安に感じる方も多いと思います。
また、
- 弁護士に依頼すると費用がかかる
- 自分で裁判ができるのではないか
と考え、まずは裁判の仕組みを知りたいという方もいらっしゃいます。
本記事では、不倫慰謝料請求に関する裁判の流れと注意点について整理します。
不倫慰謝料請求の裁判の流れ(全体像)
不倫の裁判は、概ね以下の流れで進みます。
- 訴状の提出
- 裁判所による呼び出し
- 第1回期日
- 書面・証拠の提出(争点整理)
- 和解または証人尋問
- 判決
- 控訴・上告(必要に応じて)
以下、それぞれの手続について説明します。
訴状の提出|裁判の出発点
裁判は、「訴状」の提出から始まります。
■ 訴状の内容
訴状には、
- 請求の趣旨(いくら請求するか)
- 請求の原因(不倫の事実や損害の内容)
を記載し、不倫の事実を裏付ける証拠を添付して提出します。
■ 訴状の重要性
訴状は、裁判官が最初に読む書面であり、非常に重要です。
- 事実関係を分かりやすく整理する
- 法律上の根拠を明確に示す
ことが求められます。
裁判所の種類と管轄
裁判所には、
- 地方裁判所
- 簡易裁判所
- 家庭裁判所
- 高等裁判所
- 最高裁判所
があります。
不倫慰謝料請求では、その請求額に応じ、以下のとおり提起する裁判所が決められており、
- 140万円以下 → 簡易裁判所
- 140万円超 → 地方裁判所
となり、多くの場合は地方裁判所に提起されます。
■ 管轄(どの裁判所に出すか)
不倫慰謝料請求では、通常、
- 被告の住所地
- 原告の住所地
- 不法行為地
が管轄の基準となります。
裁判所からの呼び出し
訴状に問題がなければ、裁判所は期日を指定し、相手方に書類を送付します。
書類が届かない場合などには、別途特別な手続が用意されています。
第1回期日|最初の裁判
第1回期日では、当事者双方(弁護士がいれば弁護士)が出席します。
ただし、第1回期日については被告側と日程を調整しているわけではないため、裁判所に来れない場合があります。
そのために、民事訴訟法上のルールとして、
- 事前に書面を提出すれば欠席してもその書面を陳述したことにする(欠席できる)
とされています。
書面を提出せず欠席した場合には、訴状に記載されている事実関係を認めたものとして扱われる(裁判に負ける)ので注意が必要です。
第2回以降|争点整理と証拠提出
第2回以降は、
- 争点(争っている点)を明確にする
- 書面で主張を整理する
- 証拠を提出する
という流れで進みます。
裁判の進行パターン(3類型)
多くの場合、不倫慰謝料請求の審理は、被告側の対応方針等により、大きく3つに分かれます。
■ ① 被告が不倫を認め、双方が慰謝料として想定している金額の差も小さい場合
- 慰謝料額や支払方法を調整
- 合意すれば和解
比較的短期間で終了することが多いです。
■ ② 被告が不倫は認めるが金額で争う場合
- 金額について交渉
- 裁判所が一定の金額を提示する場合あり
- 分割払い等も検討
合意できなければ証人尋問へ進みます。
■ ③ 被告が不倫自体を争う場合
- 不倫の有無や責任を全面的に争う
- 証人尋問へ移行
和解が困難なケースです。
和解|裁判中の解決
裁判上の和解が成立すると、裁判所が「和解調書」を作成します。
和解調書には、
- 強制執行ができる
- 当事者の押印は不要
という特徴があります。
証人尋問(当事者尋問)
話し合いで解決できない場合、証人尋問に進みます。
これは、
- 当事者や関係者から直接話を聞く手続
です。
通常は、
- 弁護士による質問
- 裁判官の補充質問
の順で進みます。
判決|最終判断
証人尋問や証拠を踏まえ、裁判官が判決を下します。
判決では、
- 一括払いのみ命じられる
- 柔軟な条件設定は難しい
という特徴があります。
控訴・上告
判決に不服がある場合は、
- 高等裁判所へ控訴
- 最高裁判所へ上告
が可能です。
ただし、
- 判断を覆すハードルは高い
とされています。
弁護士なしで裁判をする場合の注意点
■ 訴状・答弁書の重要性
- 最初に裁判官が読む書面
- 要件事実を正確に記載する必要あり
作成には相当の時間と知識が必要です。
■ 出廷の負担
- 平日昼間に期日が指定される
- 原則として変更は困難
という制約があります。
■ 準備書面の作成
- 相手の主張への反論
- 判例・文献の調査
- 法律構成の整理
が必要となります。
■ 証人尋問の難しさ
弁護士がいない場合、
- 裁判官主導で質問が行われる
- 自分の主張を十分に述べられない可能性
があります。
また、
- 本人が話したいこと
- 裁判で重要な点
は一致しないことが多いため、事前準備が重要です。
■ 手続面の対応
- 書類や証拠の提出方法
- 必要部数
などは、裁判所の指示に従う必要があります。
まとめ|裁判は専門的対応が求められる手続
不倫慰謝料請求の裁判は、
- 書面作成
- 証拠整理
- 法律構成
など、専門的な対応が求められる手続です。
ご自身で対応する場合には、すべての工程を正確に行う必要があるため、慎重な対応が必要となります。
対応が難しいと感じた場合には、弁護士への依頼を検討することが重要です。
- ラブホテルを複数回利用しても、不貞の事実が認定されなかった事例をご紹介します。
- 裁判例から知る不貞行為の証拠の見方。メールなどのやり取りから立証が難しいとされる理由をご説明します。
- 不倫の決定的な写真がない~SNSのやり取りから不倫の慰謝料の請求をするポイント。
- 初めての法律相談~不倫の慰謝料を弁護士へご相談したい方へ。
- 今だけ!離婚・不倫の慰謝料に関する電話による無料法律相談実施中
- 5つのメリットを解説。不倫慰謝料の無料法律相談はあいなかま法律事務所
- 不倫の慰謝料を請求する際に、弁護士に依頼するメリット・デメリット
- 枕営業は不貞行為(不倫)にあたらない?枕営業や風俗店の利用と不貞行為を2つの裁判例から考えます。
- 不倫で慰謝料を請求したい方へ向けた、慰謝料請求のポイント
- 交際中に妊娠中絶した場合に男性に生じる慰謝料について。
- 婚約中の不倫が許せない方へ。婚約中の不倫でも慰謝料が請求できます。
- 子どもから不倫相手への慰謝料請求が認められない理由。最高裁判所の判例解説。
- 離婚したかどうかで変わってくることがある、不倫の慰謝料の金額。
- 不倫慰謝料請求が時効になる?時効ギリギリの慰謝料請求の対処法
- 不倫と不貞行為 不貞行為って何?
- 不倫裁判でよくある弁解と裁判所の判断|慰謝料請求の参考になる裁判例
- 不倫慰謝料の請求の際の注意事項。権利濫用として慰謝料が認められなかった裁判例を紹介。
- 不倫が1回でも、不貞行為にあたります。インターネット通説を調べてみました。
- 不倫の慰謝料請求と内容証明|送りたい方・届いて困っている方へ解説
- 不倫相手は自宅に来ていた営業員だった!会社の責任は問えないの?
- オンラインゲームをきっかけにした不倫に特有の特徴をまとめました。
- マッチングサイト(出会い系サイト)での不倫に関する慰謝料請求でよくある問題3つと、対応の3つのポイント
- 不倫慰謝料の示談書(和解書、合意書)を作ろうと思っている方が知っておくべきこと。
- 不倫慰謝料請求で有効な証拠6選|裁判で認められやすい資料とは?
- 不倫の慰謝料請求の交渉のコツ4つ。流れもあわせて解説。
- 職場の上司や部下と不倫した場合の5つの特徴と、不倫が発覚した場合の対応について
- 不倫する人の心理を考えてみた。
- 不倫慰謝料請求は、弁護士以外に頼んでもいいのですか。
- よくある不倫の証拠写真。裁判で不倫の証明ができるのはどれ?
- 不倫の慰謝料請求と、「離婚慰謝料」。最高裁判決の考え方
- 不倫相手に慰謝料を請求したら、DVしてたのだから払わないといわれてしまったケース
- あなたは、不倫されたら慰謝料請求しますか?
- 不倫の慰謝料を請求する場合、まず何から始めればいいか、おおきな流れを解説します。
- 結婚していない交際相手の浮気で慰謝料は請求できますか。
- 不倫をきっかけに離婚したいと思った方へ、初めに知りたい3つの情報をまとめました。
- 不倫慰謝料請求の裁判の流れとは?訴状・審理・証人尋問まで徹底解説
- 不倫されて不倫相手に慰謝料を請求するタイミングは?
- 離婚したと聞かされて交際に応じたが、実はまだ結婚していた事例
- 不倫の無料相談で失敗しない弁護士の選び方|チェックポイントを解説
- アップロードされた写真に注目!位置情報から不倫が明らかに。
- 不倫慰謝料の相場!裁判例データをもとに分析しました。
- こっそりと不倫の証拠写真を確保。これっていいの?
- 不倫していたことを職場にバラされた場合の対応法。
- 不倫慰謝料の考慮要素7選。期間や回数は慰謝料に関係あるの?
- 既婚者から誘われて不倫した場合、慰謝料は減額できる?裁判実務を解説
- 不倫相手の収入が高いと慰謝料は増える?医者・高収入の場合の考え方
- 別居した後に交際を開始したら,慰謝料は払わなくていい?
- 既婚者だと知らずに付き合っていたのですが,慰謝料を支払わないといけませんか。
- 不倫してるらしいけど、セックスしている証拠がない。それでも慰謝料請求できますか?
- 【不倫慰謝料】家庭内別居・不仲でも支払い義務はある?破綻の判断基準と減額ポイント。
