不倫慰謝料請求の裁判の流れとは?訴状・審理・証人尋問まで徹底解説

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不倫の慰謝料を請求したものの相手が支払わない場合や、逆に慰謝料を請求されて裁判を起こされそうな場合、「裁判の流れが分からない」と不安に感じる方も多いと思います。

また、

  • 弁護士に依頼すると費用がかかる
  • 自分で裁判ができるのではないか

と考え、まずは裁判の仕組みを知りたいという方もいらっしゃいます。

本記事では、不倫慰謝料請求に関する裁判の流れと注意点について整理します。

不倫慰謝料請求の裁判の流れ(全体像)

不倫の裁判は、概ね以下の流れで進みます。

  1. 訴状の提出
  2. 裁判所による呼び出し
  3. 第1回期日
  4. 書面・証拠の提出(争点整理)
  5. 和解または証人尋問
  6. 判決
  7. 控訴・上告(必要に応じて)

以下、それぞれの手続について説明します。

訴状の提出|裁判の出発点

裁判は、「訴状」の提出から始まります。

■ 訴状の内容

訴状には、

  • 請求の趣旨(いくら請求するか)
  • 請求の原因(不倫の事実や損害の内容)

を記載し、不倫の事実を裏付ける証拠を添付して提出します。


■ 訴状の重要性

訴状は、裁判官が最初に読む書面であり、非常に重要です。

  • 事実関係を分かりやすく整理する
  • 法律上の根拠を明確に示す

ことが求められます。


裁判所の種類と管轄

裁判所には、

  • 地方裁判所
  • 簡易裁判所
  • 家庭裁判所
  • 高等裁判所
  • 最高裁判所

があります。

不倫慰謝料請求では、その請求額に応じ、以下のとおり提起する裁判所が決められており、

  • 140万円以下 → 簡易裁判所
  • 140万円超 → 地方裁判所

となり、多くの場合は地方裁判所に提起されます。


■ 管轄(どの裁判所に出すか)

不倫慰謝料請求では、通常、

  • 被告の住所地
  • 原告の住所地
  • 不法行為地

が管轄の基準となります。

裁判所からの呼び出し

訴状に問題がなければ、裁判所は期日を指定し、相手方に書類を送付します。

書類が届かない場合などには、別途特別な手続が用意されています。


第1回期日|最初の裁判

第1回期日では、当事者双方(弁護士がいれば弁護士)が出席します。

ただし、第1回期日については被告側と日程を調整しているわけではないため、裁判所に来れない場合があります。

そのために、民事訴訟法上のルールとして、

  • 事前に書面を提出すれば欠席してもその書面を陳述したことにする(欠席できる)

とされています。

書面を提出せず欠席した場合には、訴状に記載されている事実関係を認めたものとして扱われる(裁判に負ける)ので注意が必要です。

第2回以降|争点整理と証拠提出

第2回以降は、

  • 争点(争っている点)を明確にする
  • 書面で主張を整理する
  • 証拠を提出する

という流れで進みます。

裁判の進行パターン(3類型)

多くの場合、不倫慰謝料請求の審理は、被告側の対応方針等により、大きく3つに分かれます。


■ ① 被告が不倫を認め、双方が慰謝料として想定している金額の差も小さい場合

  • 慰謝料額や支払方法を調整
  • 合意すれば和解

比較的短期間で終了することが多いです。


■ ② 被告が不倫は認めるが金額で争う場合

  • 金額について交渉
  • 裁判所が一定の金額を提示する場合あり
  • 分割払い等も検討

合意できなければ証人尋問へ進みます。


■ ③ 被告が不倫自体を争う場合

  • 不倫の有無や責任を全面的に争う
  • 証人尋問へ移行

和解が困難なケースです。


和解|裁判中の解決

裁判上の和解が成立すると、裁判所が「和解調書」を作成します。

和解調書には、

  • 強制執行ができる
  • 当事者の押印は不要

という特徴があります。


証人尋問(当事者尋問)

話し合いで解決できない場合、証人尋問に進みます。

これは、

  • 当事者や関係者から直接話を聞く手続

です。

通常は、

  1. 弁護士による質問
  2. 裁判官の補充質問

の順で進みます。


判決|最終判断

証人尋問や証拠を踏まえ、裁判官が判決を下します。

判決では、

  • 一括払いのみ命じられる
  • 柔軟な条件設定は難しい

という特徴があります。


控訴・上告

判決に不服がある場合は、

  • 高等裁判所へ控訴
  • 最高裁判所へ上告

が可能です。

ただし、

  • 判断を覆すハードルは高い

とされています。


弁護士なしで裁判をする場合の注意点

■ 訴状・答弁書の重要性

  • 最初に裁判官が読む書面
  • 要件事実を正確に記載する必要あり

作成には相当の時間と知識が必要です。


■ 出廷の負担

  • 平日昼間に期日が指定される
  • 原則として変更は困難

という制約があります。


■ 準備書面の作成

  • 相手の主張への反論
  • 判例・文献の調査
  • 法律構成の整理

が必要となります。


■ 証人尋問の難しさ

弁護士がいない場合、

  • 裁判官主導で質問が行われる
  • 自分の主張を十分に述べられない可能性

があります。

また、

  • 本人が話したいこと
  • 裁判で重要な点

は一致しないことが多いため、事前準備が重要です。


■ 手続面の対応

  • 書類や証拠の提出方法
  • 必要部数

などは、裁判所の指示に従う必要があります。


まとめ|裁判は専門的対応が求められる手続

不倫慰謝料請求の裁判は、

  • 書面作成
  • 証拠整理
  • 法律構成

など、専門的な対応が求められる手続です。

ご自身で対応する場合には、すべての工程を正確に行う必要があるため、慎重な対応が必要となります。

対応が難しいと感じた場合には、弁護士への依頼を検討することが重要です。