商品やサービスが非難されたのは、名誉毀損か。3つのパターンから考える名誉毀損の条件。
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名誉毀損における名誉は、特定の人に関するものだと考えられています。
そのため、商品やサービスに対する口コミが書かれたというケースでは、これが製作者の名誉にかかわる者でない限り、名誉毀損を理由とする削除は難しいといえます。
実際には、商品やサービスに対する口コミが、その製作者やサービスを提供した人に対する非難となっているケースも多く、名誉毀損にあたるかどうか判断が難しい場合があります。
そこで、以下では、書き込みがだれに向けられたものかわかりづらい3つのパターンを検討しました。
商品・サービスに対しての言及のパターン
販売する商品やサービスに対する言及が,販売会社に対する名誉毀損となるかという問題があります。
一般には,たんに商品についての批判が記載されただけでは,これをもって商品を販売するものへの名誉毀損とまでは言えないと考えられます。
しかし,その記載のその理由づけ等を踏まえ,対象者が不適切な商品を販売するような者であるという趣旨で解釈できる場合には,対象者への名誉毀損が認められるといえます。
ネット小説やネットのイラストであれば、これに関する批評であれば小説のみの言及ですが、これを超えて人格を非難するような書き込みであれば、名誉毀損になりうる、ということです。
組織と個人と判断できないパターン
例えば,小規模の会社に対する書き込みで,会社の名誉が毀損されるとき,その会社の代表者の名誉も合わせて毀損されたかといった問題です。
このような場合,裁判所は,名誉毀損に当たる加害行為が,会社のみではなく,代表者に対しても向けられたといえる必要があるとしています。
実際,裁判所は,週刊誌の広告見出しについて,会社に対する記載について,代表者の顔写真が掲載されていたとしても,これが代表者に対して向けられたとは認められないと判断しています。
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匿名での言及のパターン
同様な問題として,インターネット上で書き込みの対象者の実名を出さず,匿名や推測できる記載で書き込むこともあります。
例えば,ある会社にいて,身体的な特徴を持つものという言及は,その文脈や情報等から一般の読者の普通の注意と読み方で推測できるのであれば,特定がされたといえます。
この場合,一般の読者とは,全く何も知らない読者という趣旨ではなく,文脈や情報から推測できる程度にその言及されたコミュニティに関して情報を有しているものであることは注意が必要です。
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