バッチが取れてます!~弁護士の「裏バッチ」

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 バッチが取れてます!と、何度かお客様にご指摘いただきました。そこで、弁護士バッチについて、ご説明します。

「弁護士バッチ」とは

 いわゆる弁護士バッチは、正式には弁護士記章と呼ばれ、表面にひまわりを型取り、中央部分に「はかり」がデザインされています。そして、裏面には、弁護士の登録番号が書かれており、仮に落としてしまって落とし物として届けられた場合でも、どの弁護士のバッチがわかる仕様になっています。

弁護士バッチに関するルール

 弁護士バッチに関しては、弁護士記章規則に規定があり、正確には、日弁連から貸与されているものです。

 また、「弁護士は、その職務を行う場合には、本会の制定した記章を携帯しなければならない。ただし、本会の発行した身分証明書の携帯をもってこれに代えることができる。」(日本弁護士連合会会則第29条2項)と定められており、職務中は携帯する義務があります。

 男性の場合、スーツにバッチをつけるところがあるため、裁判所への出廷等の職務を行う場合、そこにバッチをつけることが一般的です。

 クールビズの際は、スーツを着ないことも多く、身分証明書で代用することも多いです。私は、夏場は財布の小銭入れにバッチを入れています。

フラワーホール

 スーツのバッチをつける部分のことを、フラワーホールというらしいです。

 もともとは、詰襟のように襟を立てる服の第一ボタン部分が由来とのことです。

 襟を折り返して着用する服ができるようになり、もともとの第一ボタン穴の部分に花を挿したりしておしゃれを楽しんだ、ということから、フラワーホールと呼ばれるようになった、というのが一説のようです。

バッチのつけ方

 通常、スーツにバッチをつけるときは、表側が見えるようにつけます。わざわざ逆につけるのは、控えめに見ておかしい行動です。敢えて靴下を裏返しに履くようなものです。

 しかし、弁護士は、わざわざバッチを裏につけることがあります。そして、これを裏バッチと呼んだりします。

 バッチを裏につける理由は、弁護士とわかると、色々とトラブルに巻き込まれる恐れがあるためだ、と説明を受けました。居酒屋に行くときは社章を外していくように、といわれるのと同じ理由です。

 本来は、裁判所などでは、表向きにつけ直すべきなのですが、そのまま裏バッチで出廷することもあります。その時に、自分のお客様に言われたのが、「バッチが取れてます!」です。

 確かに、バッチの裏側の部分がスーツに見えていたら、バッチが取れて金具だけ残ったと考えるのが普通です。