熟年離婚のいう「熟年」とは?熟年離婚のイメージを考える。
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熟年離婚という言葉をしばしば耳にします。私も、熟年離婚に関する情報をまとめた記事があります。
しかし、そのときは、熟年離婚の言う熟年がいつからなのかということには、突っ込まずに記事を作成しました。
そこで、熟年離婚が、どういった状況を想定したものなのか、熟年離婚の定義を考えてみました。
一般に用いられる熟年離婚の使われ方
ドラマ『熟年離婚』における熟年離婚
10年以上前に、渡哲也が主演の『熟年離婚』というドラマがありました(wikiへのリンク)。
このドラマは、定年退職した日に離婚を突き付けられるといったものでした。
ドラマにおける熟年離婚は、定年退職後というイメージで描かれています。
インターネット上の記事から見た、熟年離婚
熟年離婚の記事を見ると、ドラマよりもう少し早い時期を想定した記事が多いといえます。
子どもが大学などを卒業し、自立した時期や、もう少し早い時期だと子どもが大学に進学した時期以降の離婚のニュアンスで用いている記事もあります。
熟年離婚の特徴
妻から夫へ切り出すか、夫から妻へ切り出すか。
ドラマの中で描かれた熟年離婚は、妻が夫へ離婚を切り出すものでした。
しかし、夫から妻へ離婚を切り出すというケースもしばしば見かけます。
いずれの場合でも、耳にするのは、これまで長年、子どものために我慢してきた。子どもが自立した後に一緒にいることは我慢できない、という思いです。
熟年離婚で生活は苦しくなる?
熟年離婚を考えるうえで、一番ポイントになってくるのがお金のことです。
実際の制度は別の記事に譲りますが、一般的には、どちらも、熟年離婚で貧しくなった、という印象を受ける方が多いようです。
妻側は、年金の分割や財産分与を得られるけれども、離婚により家賃等を含む生活費の負担が重くのしかかってくることが多いためです。
夫側は、退職金からの財産分与の支払いなどで、当初本人が想定していた以上に妻側に支払うことが多いためです。
離婚を切り出す際には、離婚時に払うお金や離婚後の生活をきちんと見据えることが必要といえるでしょう。
弁護士としてご相談に乗る際の、熟年離婚の特徴
私がご相談に乗る際に、熟年離婚が通常の離婚でのご説明と異なる点は、大きく以下の点です。
- 子どもが自立しており、子どもの親権や養育費のことが問題にならない。
- 離婚を、老後の生活を想定して考えるようになる。
- 退職が近くなり、退職金や年金に対する関心が高い。
熟年離婚のきっかけから定義を考える。
熟年離婚という言葉で、どのような事象をとらえることができるのか、熟年離婚という言葉が、普通の離婚と違うどのような側面をくくりだそうとしているのか、を考えることを通じて、熟年離婚の定義をおっていきたいと思います。
退職による生活の変化がきっかけ
ドラマでの定義もこちらに含まれると思いますが、これまでずっと平日の日中は外で働いていた夫が、定年退職をきっかけに、1日中家にいるようになります。
この生活の変化による離婚という事象をとらえる言葉として、熟年離婚という言葉を用いることができそうです。
子どもの自立がきっかけ
子どもが自立した、子供に手やお金がかからなくなり、場合によっては就職をきっかけに家を出たということがあります。
このことにより、生活に変化が出たり、夫婦の意識が老後へ向けられることから離婚を決意した、という事象をとらえる言葉として、熟年離婚という言葉を用いることもできると思います。
介護がきっかけ
親の介護が始まる、介護をしなければいけない時期でもあります。
介護が始まることは、夫や妻の親をどちらが介護するのか、引っ越しや同居した方がいいのかなど、今後の生活を考え直すきっかけになります。
これをきっかけに、離婚を考えるという事象をとらえる言葉として、熟年離婚という言葉を用いることもできると思います。
将来に対する考え方の変化がきっかけ
子どもの面から見た変化とも関連しますが、これまで元気で働いていた時期から、病気や周りの変化をきっかけに、お金や終の棲家など、将来=老後の生活を考え始めることがあります。
この考え方の変化による離婚をとらえる言葉として、塾んねん離婚という言葉を用いることも考えられます。
上記を踏まえた私なりの定義
一つの定義としては、おおむね50代以上で婚姻期間が10年以上、(子どもがいる場合は自立しており)夫婦2人又は夫婦2人とその親と一緒に生活している方の離婚、ということになると思います。
その他、様々な定義が考えられると思います。
まとめ
熟年離婚の定義を考えながら、熟年離婚の特徴をまとめてみました。
もし、ここに挙げたような事情で離婚を考え出された方がいらっしゃいましたら、60分無料法律相談を実施しておりますので、あいなかま法律事務所へご相談ください。