不倫慰謝料の考慮要素7選。期間や回数は慰謝料に関係あるの?

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 不倫の慰謝料の金額については、明確な基準があるわけではなく、個別のケースに応じて慰謝料の考慮要素とされるものを踏まえて裁判所が決めています。

 そのため、慰謝料を多くする/少なくするためには、個々のケースにおいて、裁判所が慰謝料の増減額事由として考慮する様々な考慮要素を裁判所に主張していくことが、慰謝料額を有利にするためのポイントとなります。

 そこで、この記事では、慰謝料額の考慮要素とされるものをまとめてみました。

婚姻期間の長短

 夫婦の婚姻期間は、慰謝料額に影響します。これは、婚姻期間が長いほど、一般的に、夫婦の関係が強くなっていくと考えられているためといえます。

 慰謝料額に、大きな影響を与えているのではないかと考えられている要素の一つです。

 おおむね、3年以内であれば、短いと評価される傾向にあるようです。

未成年の子どもがいるかどうか

 未成年の子供がいる場合には、子どもを含めた家庭内の平和が害されることになるため、慰謝料の増額事由にあたるとされています。

不倫後の夫婦関係

 不倫後に離婚や別居に至ったか、そのまま夫婦生活をつづけたかが、慰謝料に影響します。

 上記3つは、証拠から、客観的に明らかとなる事情であることや、婚姻共同生活の維持という不倫の慰謝料が認められる基礎となる事情に深くかかわる要素であることから、裁判所は非常に重視する傾向にあります。

不倫が始まった時点での夫婦関係

 不倫慰謝料は、夫婦関係がどのようであったかにより影響を受けます。夫婦関係が良好だったか、家庭内別居状態だったかなどのほか、内縁関係だった場合は、結婚している場合に比べて慰謝料が減額される場合があります。

不倫の期間・回数について

不倫の期間について

 不倫の期間は、慰謝料に影響します。

 実際には、不倫の期間が2,3ヶ月程度であれば,短いと評価がされ減額する方向へ働きます。

 これに対して、数年を超えると比較的長期とされ,1年程度であっても,長期間と評価し慰謝料が増額される可能性があります。

不倫の回数について

 回数については,客観的な証拠に基づかない当事者の記憶等のため,どの程度重視すべきか,そもそも難しい問題がありますが,概ね数回程度であれば,少ないと評価される傾向にあるようです。

不倫の期間や回数に関する考え方

 不倫の期間や回数については,不倫していた証拠をつかんでも,同居中に不倫が行われたようなケースでは,不倫の期間が数ヶ月なのか,1年なのか,数年なのか,回数が何回なのかということに関して客観的な証拠に乏しく、自己申告に頼らざるを得ない場合があります。そのため,例えば証拠がなく,当事者が本当の期間より短めに申述した場合に,これを短いと評価すると,正直に告白した当事者に比べて有利に扱うこととなり,虚偽を述べることを誘発する可能性があります。

 裁判所は,この点を踏まえて,1年程度と当事者が認めている場合には,他のケースとの均衡を図るため,長期との評価を行なっているとも考えられます。

不倫に対する謝罪の有無

 謝罪したかどうかは、慰謝料に影響するとされています。実際、証人尋問の場でも、不倫の事実を認めず謝罪しないことは、もし不倫が事実と認定された場合に増額事由として強く考慮される可能性があります。

不倫後の言動

 不倫後に、不倫相手の勤務先等に連絡して不倫を明らかにするなどの行為は、慰謝料の減額事由として扱われうる行為です。ただし、裁判所によっては、別途不法行為責任を追及すべきと判断するケースもあります。

最後に

 実際には、これらを複合的に考えて、慰謝料額の見通しを立てることになります。慰謝料額が気になる方は、一度弁護士へご相談ください。