公文書とカンマ,

この記事を読むのに必要な時間は約 2 分です。

 私がもともと勤めていた事務所で、弁護士になりたてのときに指摘されたことの一つが、書面において、読点を「、」ではなく、「,」(カンマ)にすることです。

 裁判所の一般的な書式がカンマだから、という理由だったと思います。

 その、公文書にカンマを使うというルールが変わる見込みだというニュースが流れました。

 そこで、このニュースの元となっている、文化審議会の国語課題小委員会の中間報告案を見てみたので、気になったところをご紹介します。

 なお、中間報告案のご紹介となるので、正式な改定と異なる場合がありますので、ご了承ください。

読点について

 ニュースにもなっている「,」(カンマ)ですが、中間報告案によると、原則として「、」にするが、横書きの場合、事情によっては「,」(カンマ)を用いてもいいそうです。

 あまり意識することはありませんが、仕事以外で、日本語の文書でカンマを見ることはほとんどない気がしています。

 正直、どちらでもいいと思っているので、今は、ワードの通常設定である「、」を使っています。以前は「,」(カンマ)を使っていたのですが、他人が作成した文書等をコピー&ペーストした際に、「、」と「,」が入り乱れるミスを何度かして、地味にストレスでした。

 なお、公表されている中間報告案は、横書き文書ですが、すでに「、」で統一されています。

!と?について

 公文書でも、!や?の使用が認められるようです。

公用文においても解説・広報等の文書、また、発言をそのまま記載する記録などにおいては、必要に応じて使用して差し支えない。

新しい「公用文の作成の要領」に向けて(中間報告)(案)

 ただし、!や?のあとに文が続く場合には、1文字開けることとされています。

ローマ字の姓名の表記

 日本人の姓名をローマ字で表記する際は、「姓ー名」の順番になります(2020年1月1日から実施済みです)。

 英語を習いだして以来、ずっと「MASAKI NAKAMURA」と表記していたので、違和感がすごいですが、今後は「NAKAMURA MASAKI」にて統一します。

 学校の英語の授業ではどのように教えているのか、気になります。

まとめ

 中間報告案のご紹介なので、実際にどのような形になるかは未知数といえますが、!?の利用など、公用文が、日常の文書に近づいてきているということを感じます。

 今回の見直しのひとつの趣旨に、「国民に直接向けた文書の平易化」があるようです。

 読みやすくわかりやすいものとなることを期待しています。