コロナウイルスによる外出自粛とDV~DVしやすい男性の特徴

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 コロナウイルスへの対応のため、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令される予定です。

 緊急事態宣言による影響は様々ですが、その中に、外出制限によりDVが増えるのではないかという懸念があるようです。

 世界的に、DVが増加しているというニュースも報道されています。

 そこで、今回は、DVしやすい男性の特徴といわれているものを見ながら、私の事件の経験に基づく意見を述べたいと思います。

 なお、ワイカト大学の研究がもととなっているようですが、私は主にDaigo氏の動画「DVしやすい男の5つの特徴」を参考にしています。

 上記研究は、DVの罪で投獄されている人たちを対象にしたインタビューがもととなっている研究のようですので、(多分)暴力を伴うDVが発生したケースに関する研究だと思います。また、(多分)外国の方を対象にした研究ですので、日本人にそのまま適用されるかどうかは一応注意が必要といえます。

 なお、DVは男のみのものとはないと思いますが、以下では、動画のタイトルに従い、DVをする方を男性、される方(被害者)を女性として議論します。多分、研究も男性の方を対象にしているのだと思います。

DVしやすい男の5つの特徴

 Daigo氏によれば、ワイカト大学の研究による、DVしやすい男の5つの傾向は、以下のとおりです。

 一つあてはまったら危険、というわけではないようですが、5つすべてに当てはまったらかなり危険ということのようです。

  1. 女性はわけがわからない生き物だと思っている
  2. 女性はいつも男に興味があると思い込んでいる
  3. 男の性欲はコントロールできないものだからと開き直る
  4. 女性は男の要求に応えるのが自然と考えている
  5. 世の中は危険だらけで敵ばかりだと考えている

 以下では、一つずつ、見ていきたいと思います。

①女性は訳が分からない生き物だと思っている

 女性は何を考えているかわからない、だからコミュニケーションを取ろうとする意識が生まれない、ということのようです。

 「男性は論理的だ、女性は感情的だ」という考え方も、だから話が通じない、コミュニケーションが取れない、ということにつながっていくといえそうです。

 コミュニケーションが取れない、だから暴力でわからせる、ということにつながりやすい傾向がある、ということでしょうか。

②女性はいつも男に興味があると思い込んでいる

 女性は男の気を引くために、いろいろしている、と思っている男性のことです。

 女性が、自分がしたくておしゃれをしているのに、これを男の気を引くため、だと解釈するようです。勘違いがとても多いと、動画では指摘されています。

 確かに、過去のDVのケースで、妻が働きに出たいと言って、職場に適した格好をして出かけていたら、男の気を引くためだ、などといってDVを受けたというケースがありました。

 女性はいつも男に興味がある、自分(夫)以外の男にも興味がある、自分以外の男の気を引くために、おしゃれなどをしている、という思考が、DVのきっかけになるのでしょうか。

③男の性欲はコントロールできないものだからと開き直る

 研究によれば、男の性欲はコントロールできないと開き直る傾向のある男性は、危険なようです。

 性欲からDVへ、どのようにつながるのかわかりにくい面がありますが、Daigo氏の動画では、「自己コントロールがないことを開き直る」という形で整理しています。

④女性は男の要求に応えるのが自然と考えている

 これは、ありそうな気がします。「モノ」としてみている、という言い方は、やや大げさかもしれませんが、男(というよりも自分)が中心である、という考え方だと思います。

 動画では、例えば女性がおごってもらったのちに、男性が見返りを求めてくるか、といったところから見抜けると指摘しています。

⑤世の中は危険だらけで敵ばかりだと考えている

 ①から④とは、趣の異なる内容が出てきました。

 他人は信じられない、力でねじ伏せてもいい、という考え方から、DVにつながるようです。

上記5つを見渡した感想・個人的な分析

②と③は表裏一体

 ②と③は、いずれも、男女問わず、人が性に対して奔放で、コントロールが効かない、という考え方だと言えると思います。

 ②女性はいつも男に興味があると思い込んでいるは、女性が(過激な言い方をすれば)常に男を誘惑して歩いている、ということですし、③男の性欲はコントロールできないものだからと開き直るは、男性は(やはり過激な言い方をすれば)常に発情している、ということです。

 結果的に、妻が外を歩くのは男性を誘うためだ、そして外にいる男性は妻に性的な目を向けている妻のためを思って、妻が外で働くことをやめさせたり、妻の行動を監視する方向に意識が働く、という、典型的なDVの事例が思い浮かぶと思います。

④の指摘する支配欲

 ④女性は男の要求に応えるのが自然と考えているは、だから、お前は俺の言うことを聞いていればいい、という意識につながります。さらに、俺は正しい、という意識があると、その傾向は一段と強くなりそうです。

 Daigo氏が③で指摘していた、自己コントロールが効かないという面と合わせると、女性を支配しようとする、これに自己コントロールが効かないので、力づくでもいうことを聞かせる、という、やはり典型的なDVの事例が思い浮かびます。

①と④の危険なつながり、そして⑤

 さらに、①女性は訳が分からない生き物だと思っていると、④女性は男の要求に応えるのが自然と考えているは、結びつくと、危険な状態になります。

 女性は男の要求にこたえるのが自然だから、言うことを聞かせないといけない。そして、女性は訳の分からない生き物で話が通じないから、力づくでも言うことを聞かせる、という形でつながります。

 いうことをきかなければ、言うことを聞くまで暴力をふるう、DVがここに誕生します。

 そして、⑤世の中は危険だらけで敵ばかりだと考えていることが、暴力をふるうことを正当化します。

典型的な激しいDVに関する特徴を指摘していると思います。

 上記研究は、確かに、典型的な激しいDVにおける側面をうまく切り出しているといえます。

 そういう点では、過激な暴力をふるうDV(今回の研究が対象としているもの)については、なるほど、よく当てはまりそうだ、という気がします。

 ただ、投獄された方を対象にした調査のようなので、そこまで至らないDVや、モラハラにおいて、特に②と③がどの程度当てはまるのか、検討の余地がありそうです。

 以上、私が動画を見て考えたことをまとめました。

 DVの被害にあわれて悩まれている方がいらっしゃいましたら、無料法律相談を実施しておりますので、あいなかま法律事務所へご相談ください。