着手金、報酬金って何?わかりづらい弁護士費用を解説。

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 離婚しようと思った、弁護士に依頼しようと考えた方が、弁護士に依頼する際に気になることの一つに、弁護士費用がどのぐらいかかるのかがあります。

 インターネットで弁護士費用を見ると、「着手金」、「成功報酬金」、「経済的利益」など、見慣れない言葉が並び、分かりにくい、と思われる方もいらっしゃると思います。

 あいなかま法律事務所のホームページも、同様な記載をさせていただいており、分かりにくさを感じることがあるのではないかと反省しておりますが、以下では、これら弁護士費用についてご説明したいと思います。

弁護士費用の大まかな考え方

 弁護士に依頼した場合にかかる費用は、大きく以下の5つです。

  • 着手金
  • (成功)報酬金
  • 出廷費、出張費
  • 実費
  • その他

 また、上記とは別に、預り金という形で金銭を預かるケースや、ご依頼いただく前にかかる相談料があり、ややこしさが増しています。

 上記のうち、着手金や成功報酬金に代えて手数料という形で費用をいただくケースや、その他各事務所によって細かな費用が掛かるケースがあります。

 以下では、相談料についてご説明したのち、それぞれの費用についてご説明します。

相談料 ~依頼した後はかかりません~

 弁護士事務所の費用を確認すると、相談料という記載があります。

 これは、正式にご依頼いただく前に、ご相談という形でいらっしゃった場合にかかる費用となっており、ご依頼いただいたのちは、通常、相談料は掛かりません。

 ご依頼いただいたのちに、何度も打合せをすることがありますが、これはこれからご説明する費用に含まれております。

それぞれの費用の説明

着手金

 ご依頼いただく際に、事件を進めるにあたっていただく費用です。事件に着手する際にいただく費用であるため、着手金と呼びます。

 着手金をいただく場合でも、以下の2つのパターンがありますので、注意が必要です。

事件を細かく見るパターン

 離婚協議で着手金20万円、離婚調停に進む際に追加着手金10万円、離婚裁判に進む際に追加着手金10万円。

 離婚協議で終われば安くなるが、それぞれの段階で費用が掛かる。

事件を大きく一つとみるパターン

 離婚事件として着手金30万円、離婚調停や離婚裁判に進んでも追加の着手金は不要。

どちらも一長一短ある。

 一見すると、事件を細かく見て、それぞれの段階で追加で支払う方が良心的に見えると思います。

 もちろん、そういった面もありますが、事件を細かく見るパターンの場合、事件を調停や裁判にすすめる方が、弁護士費用が掛かる=弁護士がもうかることになるため、弁護士側に事件を調停や裁判にするメリットが生じます。

 その結果、お客様と弁護士との間で、利害が対立してしまうというデメリットがあります。

 そのため、あいなかま法律事務所では、離婚に関して、事件を一つとして着手金をいただくことにしております。

着手金の金額

 離婚事件では、おおむね20万円から40万円程度のところが多い印象です。

 離婚事件では少ないですが、他の分野の事件では、着手金を0円とする事務所もあります。

 着手金は事件のご依頼時にいただくため、着手金が少ない方が依頼しやすい事務所といえます(ただし、後にご説明しますが、着手金0円としながら、ご依頼時に預り金として相当額を預かる事務所もあります。)

着手金の支払い方

 着手金は、離婚事件の場合には、一括で支払ってくださいという事務所が多いと思います。あいなかま法律事務所では、ご事情によっては、着手金を分割でお支払いすることも受け付けております。

解約時の対応

 着手金は、事件着手時にいただく費用であるため、途中で解約しても返ってこないことが原則です。

 しかし、解約の理由などによっては、一部の返金するなどの対応をする弁護士事務所もございますので、解約される場合には、ご依頼していた弁護士とご相談してみるのもよいと思います。

(成功)報酬金

 事件が終了した際に、その成功の度合いなどによっていただく費用です。

 離婚事件の場合には、離婚成立時または調停や裁判終了時に一定額+獲得した経済的利益の●%といった定め方をしているケースがほとんどです。

 その他、親権獲得の場合に●万円という定めをするケースもあります。

経済的利益とは

 多くの事務所が定める経済的利益の●%という基準ですが、経済的利益といわれても、いまいちピンとこないと思います。

お金をもらう側

 お金をもらう側の経済的利益は、通常以下のもの(そのうちの一部)を指します。

  •  財産分与として受け取った金銭
  •  慰謝料
  •  養育費
  •  婚姻費用

 このうち、婚姻費用に掛かる経済的利益は、受け取っていない事務所も一定数あると思います。

 養育費は、認められた金額の●年分を基準とする、というケースが多いです。

お金を支払う側

 お金を支払う側の経済的利益の額の算出は、なかなか難しいところです。

 あまり明確に基準を出している事務所は見かけません。

 あいなかま法律事務所では、ご依頼いただく段階で、支払う金額の見込み額を幅を持った形でご提示したうえで、その上限からの減額分という形で決めていることが多いです。

成功報酬金に関する注意事項

 先ほどご説明したとおり、何が成功報酬金にいう経済的利益の対象となるのか、事務所によって運用がまちまちです。そのため、実際に事件が終了した時点で、どのような計算でいくら払う見込みなのかということは、きちんと聞いておいた方がよいといえます。

 あいなかま法律事務所では、お客様の見通しに合わせて想定される成功報酬金の金額をお伝えし、ご要望があれば見積書をお出ししております。

出廷費、出張費

 上記着手金及び成功報酬金で、弁護士への相談料や、弁護士が書面を作成し、裁判所へ対応する部分その他が含まれます。

 しかし、弁護士が裁判所へ出かける、相手方との交渉のため出張する場合は、別途費用をいただくケースが多いです(場合によっては、●回まで無料とするところもあります)。

 出廷費(出廷日当)は、1回裁判所の期日へ出廷した際の費用、出張費は裁判所以外へ出張した際の費用を指します。

 裁判所によって出廷費は異なるため、ホームページ上で明示していない事務所が多いです。

 場合によっては、着手金、成功報酬金は安くても、出廷費がかかるというケースもあるため、ご依頼の際には確認が必要です。

実費

 上記のほか、裁判手続きのための費用や交通費、郵送費などがかかります。

 これは、お客様が負担するケース、事務所が負担する(着手金等に含まれているケース)のいずれもあり、またお客様が負担する場合も、どこまで負担するかはまちまちです(裁判所にかかる費用のみ負担するケースや、コピー代などまで請求するケース)。

 実際には、離婚事件であれば、遠方で交通費がかさむなどのケースがなければ1~2万円程度のケースも多く、あまり負担にはならないと思います。

預り金

 弁護士からの費用の請求の際、預り金をいただくというご説明をされるケースがあります。

 これは、実費や報酬に充てるため、ご依頼の際などに預かるお金のことです。

 通常は、事件の見通しに合わせて数万円程度のケースが多いです。

費用を支払う時期と、その内訳

初めに支払う費用

 ここまで、費用をご説明してきましたが、このうち、初めに支払う費用は、着手金及び預り金です。

 離婚事件では、先ほどご説明したとおり、着手金は20~40万円程度、預り金は数万円程度で、着手金に消費税がかかることを踏まえ、当初支払金額は25万円~50万円程度になる見込みです。

着手金が少ない方が、初めに支払う費用が少なくなる。

 着手金が少ない場合には、その分初めに支払う金額が低くなり、ご依頼しやすくなります。

 後に相手方から支払いが見込める場合には、着手金を0円とすることも多く、あいなかま法律事務所でも、不倫慰謝料を請求するケースでは、着手金を0円とさせていただいております。

着手金0円の注意事項

 とはいえ、なら着手金が安い方がいいかというと、そういうわけでもありません。

成功報酬金が高額なケース

 着手金は少ないけれども、成功報酬金が通常の事務所より高い割合(%)だ、という場合、結果的に支払う金額が多くなる可能性があります。

預り金が高額のケース

 また、着手金を0円としながら、成功報酬金相当額を預り金として着手時に預かるという運用を行っているケースがあります。

 この場合、初めに支払う着手金は0円ですが、預り金は通常より高額になり、結果的に着手金を支払っているのと初めに負担する費用に違いがない場合がありますので、確認が必要です。

最後に支払う費用

 事件が終了した時点で、成功報酬金、出張費、出廷費、(預り金が不足していた場合には)実費をご請求します。預り金が余った場合には、成功報酬金等に充てて清算します。

 成功報酬金については各事務所まちまちですが、経済的利益が大きければ、その分成功報酬金が多くなるのが一般的です。

途中で支払う費用

 実費が不足した、事件が長期化した、特別な事情で別途多額の費用が掛かることになったなどのケースでは、途中でお支払いを求められるケースがあります。

 昔は、1年たったから追加で数十万円などという時代があったようですが、今は余り聞かず、実費が不足したケースに数万円程度ということが多いようです。

費用の説明を受ける際の注意事項

 費用の説明を受ける場合、計算式だけではわかりづらいので、例えばこういったケースはどのぐらいか、ということを聞くとわかりやすいと思います。

 例えば、財産分与で300万円、養育費が5万円/月に決まった場合、成功報酬金はいくらですかか、と聞けば、その場合にはいくらになりますとご説明いただけるとおもいます。