【解決事例】夫が一方的に別居|養育費+生活費の上乗せを実現|妻側のケース
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はじめに
子どもが小さい状況で配偶者が一方的に別居し、離婚を求めてきた場合、生活基盤の確保が何より重要になります。今回は、専業主婦の妻側が、養育費に加え生活費の上乗せ支払いを獲得し、離婚を成立させたケースをご紹介します。
事案の概要
依頼者・相手方の情報
- 依頼者:女性(専業主婦、出産後に退職)
- 相手方:男性(会社員・夫)
主な争点
- 一方的な別居への対応
- 養育費と生活費の確保
- 慰謝料請求の可能性検討
ご相談時の状況
別居に至る経緯
依頼者様は出産後、夫名義のアパートで同居していましたが、夫は子どもの世話に非協力的で、ある日突然「もう一緒に暮らせない」と一方的に告げて家を出て行きました。
小さな子どもを抱えた依頼者様は、どうしていいか分からず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
依頼者様の希望
- 離婚はやむを得ないと考えるが、
- 子どもの養育費をしっかり確保したい
- さらに、一方的な別居に対する慰謝料も請求したい
当事務所の対応
初回相談での判断とアドバイス
- 婚姻費用(別居中の生活費)の請求が可能であることを説明
- 慰謝料については、確認した事情を考慮すると、不倫などの事情がない限り請求は難しいことを説明
- 離婚後の生活を支えるため、養育費に加えた生活費の上乗せ交渉を提案
- 支払いが滞った場合には速やかに調停申立を行う方針を確認
- 相手方が早期の離婚を求めている様子が伺われたため、早期の離婚と引き換えに、生活費の上乗せや子どもの将来に対する十分な支払いなどを求める交渉方針で行くことを確認。
その後の流れ
調停申し立てと交渉経過
- 夫に対して婚姻費用分担請求調停を申し立て
- 夫側からはアパート退去要求および離婚調停申立
- 当方は、「生活基盤が整うまでは離婚に応じられない」と主張
- 養育費(算定表基準額)+生活費の上乗せや子どもの将来に対する保証支払いを要求
成立した合意内容
- 裁判所の介入を得て交渉が進み、
- 養育費に加え、数年間にわたり毎月数万円の生活費上乗せ支払いや進学等に関する費用負担を獲得
- 離婚調停にて離婚成立
解決結果
具体的な成果
- 通常の養育費+生活費上乗せ支払いを実現
- 依頼者様とお子様の生活基盤を確保
- 無理な条件での早期離婚を回避し、納得のいく解決を実現
本件のポイント
生活基盤確保を最優先した戦略的対応
子どもが幼く、働きに出るのが難しい状況を踏まえ、
通常の養育費だけでは足りない分を確保するために、離婚と引き換えに追加の負担を求める交渉戦略を柔軟に組み立てたことが成功の鍵でした。
慰謝料にこだわるのではなく、現実的に「今後の生活を支える資金」を確保する選択が、依頼者様にとって最も利益となりました。
【まとめ】
✅ 小さな子どもがいる状況での一方的な別居にも、適切に対応できる
✅ 養育費だけでなく、追加の生活費を確保できる可能性がある
✅ 早期離婚を焦らず、生活基盤の確保を最優先することが重要