本を読むのが苦手な人へ

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 多くの人が「読書は大切だ」と言います。しかし、実際に本を手に取るのが苦手な方も多いのではないでしょうか。

 私も、高校生まではいわゆる読書は正直嫌いでしたし、今でも、本を読む期間と読まない期間がはっきりしていて、読まない期間は数か月ぐらい、仕事以外で活字の本に触らないこともあります。読む期間は、通勤中など空き時間があれば読んでいます。

 そこで、この記事では、読書のメリット、読書が苦手な理由、そして読書が得意になるためのポイントを3つご紹介します。読書が苦手な方でも、少しずつ楽しみながら読書習慣を身につける方法をお伝えします。

読書のメリット

知識の拡充

 本を読むことで、専門知識や新しい情報を得ることができます。今はインターネットでも調べ物ができますし、私も簡単な内容や事実を知るだけであれば、正直インターネットで充分です。しかし、やはり、本の知識量は、インターネットだけでは得られないことだらけです。

 いい本を選んで読むことで、趣味、仕事に役立つインターネットでは得られない知識が得られるので、人生を豊かにする手助けとなります。

ストレスの軽減

 読書はリラックス効果があります。好きな本に没頭することで日常のストレスから解放され、心の健康を保つことができます。たまにはテレビや動画から離れ、心を落ち着ける時間もいいのではないでしょうか。

思考力と集中力の向上

 読書は脳を活性化し、思考力や集中力を高めます。物語の展開を追うことで論理的思考が鍛えられ、複雑な問題解決にも役立ちます。人は自分が知らないことは突然話題に上がっても理解することが難しいのです。あらかじめ本で知識をつけておくと、ちょっとしたニュースでも、より深く問題点が理解できるようになります。

本を読むのが苦手な人の特徴

 インターネットで記事を読んでいると、本を読むのが苦手な人が、本を読んでいくうえで躓いてしまう、途中で読むのをやめてしまう、本を読まない理由はいくつもあるようで、代表的なものを私なりに整理すると、以下の通りのようです。

  •  時間がかかって途中で飽きてしまう
  •  そもそも字を読むのが苦手
  •  言葉や内容が難しい
  •  メリットを感じられない
  •  集中力が続かない

 私も、本を読まない期間は、少し読もうかと思っても似たような問題に悩まされ、本を買っても結局続かないということが頻繁にあります(とはいえ、私は本を読むのが苦手とは思っていません)。

 そこで、以下では、上であげたものを踏まえつつ、苦手を克服する方法をご紹介します。

読書を得意にするための3つのポイント

興味のある分野の本を読む

 本を読むのが苦手な人に、一番伝えたいことは、興味がある分野、知りたいと思った分野の本を読むことです。これが今回の記事でお伝えしたいことのほぼすべてです。

 本を読むにあたっては、まず、その本に書かれていることに興味があることが一番大切です。例えば、2024年現在、大河ドラマ「光る君へ」が放送されていますが、このドラマを見て、当時の日本の生活環境や歴史がどうだったかの興味を持ったら、それについて書かれている本を選んで購入すれば、心理的な抵抗なく読み始めることができます。

 ですが、何も脈絡なく、例えば知人から面白かったから読んでみてと渡されても、たぶん全く興味を持てず、ページを開くことすらしないかもしれません。

 私も、何年か前、ふとしたはずみで第1次世界大戦のころの国際情勢に興味を持ち、いくつか本を買って読みましたが、今は、眺めてみても、まったく興味がわきません。

 本には、読みたい瞬間があり、その瞬間にその分野の本を読むと、すらすらと読むことができます。

無理に全部読もうとしない。

 せっかく買ったのだから、全部読もう、ちゃんと読もうと考える方、とてもまじめだと思います。

 本は、興味のある所だけ読めばいいんです。途中で読むのをやめたっていいんです。思ったのと違ったら、その時点で読むのをやめていいんです。全部読まなければいけない、と思うから、読み切れないという不安や、読み切れなかったという後悔、つまらなくて読みたくないと思いそのまま読書から離れてしまうということになるんです。

 私も、面白いとベストセラーになった有名小説家の小説を買って、前半部分で興味を失ってそのまま読むのを辞めてしまった本はたくさんあります。

 途中で飽きても、自分が読んだところまでで十分自分のためになってますし、つまらない、飽きたと思っても我慢して読み続けるのはむしろ時間の無駄です。途中で投げ出したら、それは自分が悪いのではなくて、自分に興味を続かせることができなかった本が悪い、と気楽に考えるのが本を読むコツです。

短時間から始める

 いきなり分厚い本を買って読み切ろうと思ってもなかなかうまく行きません。上下に分かれている長編小説を読もうとしても、途中で飽きてしまったり、忙しくて時間が空いてしまい、これまで読んだ内容を忘れてしまったということは、頻繁に生じます。

 読書を習慣化するためには、まず短い時間から、それほど長くない内容から始めることが大切です。例えば、電車の通勤時間に読む、細かく章が分かれている本を読む、という工夫をしていくことで、まずは本を手に取って読もうという心の在り方を作ることが、読書を継続的に行う近道です。

ちょっとした読書のコツ

同じ本を何度も読むか、色々な本をちょっとずつ読むか

 受験生の参考書であれば、定評のある参考書を、何度も何度も繰り返し勉強するのが合格の秘訣です。ですが、興味のある分野の本を読むのであれば、自分で読みたいなと思って繰り返すのでなければ、色々な本を買って読むほうがいいです。

 本は著者の考えが色濃く出ますし、文章にも著者の個性が出やすいので、同じ内容を書いてあるはずでも、考えに共感しやすい(共感できない)や、読みやすい(読みにくい)が顕著に出ます。

 先ほどの無理に全部読もうとしないにもつながることですが、読んでいてよくわからないなと思ったら、同じ内容について書かれている違う本を読むほうがいいこともありますし、そちらを読んだうえでまたわからないなと思った本を読みなおすことで理解が深まることもあります。

一つの本からたくさん学ぼうとしない。

 本には、大量の情報が含まれています。これを全部理解しようとするのは無理です。

 書店で売られている入門向けの新書1冊であっても、それは専門家が何十年と研究した成果を凝縮してあるので、これを数回読んだだけで理解するのは無理です。むしろ薄い入門向けの新書の方が、内容を凝縮しすぎて理解が難しいということまであります。

 テスト勉強でもないので、暗記する必要も全くありません。

 私も、仕事関係の本を除いて、昔読んだ本の内容をちゃんと覚えているということはほとんどありません。小説のあらすじも怪しいです。

 とはいえ、忙しい社会人が敢えて本を読むのですから、何か学びがないと読んだ意義を感じられないと思う方もいるかもしれません。どうしてもそのように考えてしまうのであれば、1冊で一つ(または、1日一つ)、これを学んだというものを見つけるのが良いと思います。2つ3つ、学びがあれば、むしろラッキーと思うべきです。

 1冊の本で1つしか、記憶に残る学びはないとしても、読んだことやその周辺の知識、内容はちゃんと自分の成長のためにプラスになっていると思います。

まとめ

読書が苦手な方でも、少しの工夫で読書の楽しさを見つけることができます。興味のある本を選ぶ、無理に全部読もうとしない、短時間から始めるという3つのポイントを意識してみると、少し読書が楽しくなるかもしれません。